納品書の保管期間は何年?法人、個人の違い、保管方法、電子化するメリット

更新: 2023-05-12 11:13

納品書は、商品やサービスのやり取りにおいて、納品時に発行される書類です。この記事では、納品書の保管期間について、法人と個人に分けて分かりやすく解説します。あわせて、適切な保管方法や電子化するメリットについてもご紹介するので、ぜひ役立ててください。

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取引ごとに発行される「納品書」ですが、その保管期間について疑問に思ったことはありませんか?
いつまで保管すれば良いのか、どのように保管すればいいのかについて、悩んだ経験がある方は多いことでしょう。

この記事では、納品書の保管期間について、法人と個人に分けて分かりやすく解説します。
あわせて、適切な保管方法や電子化するメリットについてもご紹介するので、ぜひ役立ててください。


【おさらい】納品書とは


納品書は、商品やサービスのやり取りにおいて、納品時に発行される書類です。
納品された商品やサービスの内容について明記され、受注した側から発注した側へ送られます。

納品書の発行は、法律で義務付けられているわけではありません。
しかし納品書があると、確実に商品やサービスを納品したことを証明することができます。
万が一トラブルになった際には、納品書が証拠書類となるケースもあるため、保管しておくと安心です。


納品書は保管義務がある


納品書の発行は義務ではありませんが、発行された納品書に対しては保管しておく義務があります。
納品書は、領収書などと同様の「信憑書類」として分類されるためです。
実際に取引があったことを証明する書類となることから、法律で定められた期間は保管しておかなければなりません。


納品書の保管期間は5~10年


法律で定められている納品書の保管期間は5~10年で、場合によって年数が異なります。
特に、法人の場合と個人の場合で年数が異なるので、それぞれに分けてご紹介します。

法人の場合の保管期間

法人税法により、納品書は7年保管しておく義務があります。
納品書に限らず、領収書や契約書なども7年の保管が義務となっています。

ただし、欠損金の繰越控除を適用したケースでは、9~10年保管しなければなりません。
保管年数は、下記の通りです。

  • 平成20年4月1日~平成30年3月31日の間に終了した事業年度に欠損金が生じた場合:9年
  • 平成30年4月1日以降の事業年度に欠損金が生じた場合:10年


また、会社法では、会計帳簿、計算書類やその付属明細書の保管期間を10年と定めています。
このことから、納品書は10年保管しておくと安心です。

ここで注意したいのが、「いつが保管期間の起算日となるか」です。
法人税法の一般的なケースでも欠損金の繰越控除を適用したケースでも、起算日は納品書が属する事業年度の確定申告書の提出期限日の翌日となります。
法人税の申告期限は、原則決算日の2ヶ月後となります。
納品書は発行日が起算日ではないことも、忘れないようにしましょう。

関連リンク
契約書以外の書類の保管期間は何年?:契約書はいつまで保管が必要?種類別の保管年数を解説


個人の場合の保管期間

個人事業主やフリーランスなどの個人の場合は、所得税法により保管期間が5年と定められています。
青色申告や白色申告などは関係なく、5年保管しましょう。

ただし、個人でも消費税の課税事業者となっている場合には7年間の保管義務があります。
消費税の納税義務がない免税事業者に該当する場合には、保管期間は5年です。

納品書の保管期間は5~10年


納品書の主な保管方法


納品書を保管する方法には、「ファイリングして保管する」方法と「電子データにして保管する」方法があります。
それぞれについて、ご紹介します。

ファイリングして保管する

紙の納品書なら、ファイリングしての保管が一般的です。
最長で10年もの長い年月保管しなければならないことから、納品書だけでも大量になるのは間違いありません。

保管する際には、必要な時に欲しい納品書をすぐに見つけられるように工夫することが大切です。
事業年度ごとにファイルを分け、さらにクライアントごとや案件ごとに細分化してファイリングしておくと、必要な時に探しやすくなります。
見出しとなるインデックスを使用すると、誰でもすぐに欲しい納品書を見つけやすくなるのでおすすめです。

納品書は一般的にA4サイズのものが多いですが、なかにはA4よりも小さなサイズのものもあります。
ファイルは基本的にA4サイズに対応できるものを選ぶのが一般的なため、A4よりも小さなサイズの納品書は、台紙に貼り、ほかの納品書とサイズを合わせるといいでしょう。

ファイリングした納品書は、オフィス内のキャビネットで保管するほか、倉庫で保管する方法もあります。
倉庫で保管する場合は、セキュリティ対策が講じられていて安全性の高い場所を選ぶことも大切なポイントです。

電子データにして保管する

電子データにして保管する際は、納品書の種類によって保管の要件を満たす必要があるので注意しましょう。
電子取引によってデータで受け取った納品書は、そのままデータで保存しなければいけません。
電子帳簿保存法に則した形式で、保管しましょう。

紙で受け取った納品書は、電子帳簿保存法の要件である「真実性の確保」「可視性の確保」を満たせばデータ化しての保存が可能です。
つまり、改ざんされるリスクがないようにし、誰でも確認できる状態にしておく必要があります。
タイムスタンプを付与するなど、要件を満たさなければならない点に注意しましょう。

関連リンク
【改正法版】電子帳簿保存法の電子データ保存要件を徹底解説

納品書の主な保管方法


電子データでの保管はペーパーレス化につながる


納品書の保管期間は長いことから、取引が多ければ多いほど保管すべき納品書は大量になってしまいます。
そこで、電子データで保管することが注目されています。
電子データで保管することで印刷するための紙が必要なくなり、ペーパーレス化につながります。
さまざまな場面で叫ばれるペーパーレス化ですが、まずは納品書をデータ化して保管することから始めてみてはいかがでしょうか。


納品書を電子データで保管するメリット


納品書を電子データで保管することには、下記のメリットがあります。

  • コストが削減できる
  • さまざまなリスクに備えられる
  • 業務を効率化できる


コストが削減できる

電子データでの保管ならば、プリントアウトするための紙代や印刷代がかからなくなります。
また、保管するためのファイルや、そのファイルを保管するためのキャビネットも必要ありません。
キャビネットを置く場所も必要なくなることから、大幅なコスト削減が見込めるケースも多くなっています。

さまざまなリスクに備えられる

電子データで保管ができれば、自然災害などが発生してもデータが消える心配はありません。
たとえば火災が発生した場合、紙の納品書などは消失してしまうでしょう。
水害により浸水すれば、納品書が使い物にならなくなることも考えられます。
その点電子データでの保管ならば、こうした自然災害を含めてさまざまなリスクに備えられることがメリットです。

業務を効率化できる

納品書を電子データで保管すると、検索性がアップすることも大きなメリットです。
ファイリングされた納品書の場合は、対象のファイルから該当する納品書を一枚一枚めくって探さなければなりません。
しかし電子データの納品書ならば、キーワード検索ですぐに欲しい納品書を参照できます。
また、リモートワークであっても、いつでもどこからでも納品書を見つけて確認できることから、業務効率のアップにつながります。

納品書を電子データで保管するメリット


ペーパーレス化の第一歩は「契約大臣」から!


納品書の保管期間は、企業の場合で7~10年、個人の場合では5~7年となっています。
それぞれ状況により必要な保管期間が違うので、事業年度ごとにチェックしておきましょう。
また、電子データ化して保管すると、業務効率がアップしてコストが削減できるなどのメリットが得られます。
ペーパーレス化の第一歩として、まずは納品書の電子データ化を検討してみてはいかがでしょうか。

電子契約システム「契約大臣」では、電子帳簿保存法に準拠した書類保管機能をご用意しています。
これを利用すれば電子化した納品書をクラウド上で保管できるため、物質的な保管スペースは必要なくなります。
また劣化せず綺麗な状態で長期保存ができるので、後々参照する際にも安心です。

リーズナブルな価格で安全に電子契約を締結できるだけでなくクラウド上に書類も保管できる「契約大臣」を使って、ペーパーレス化の第一歩を踏み出しましょう。

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監修者

いまい税理士事務所
税理士 今井 儀徳

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