電子契約のやり方を解説!電子契約システムの運営会社TeraDoxが自社例を公開

更新: 2023-07-10 17:55

電子契約を始めたいけど何からやるべきかわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。電子契約システム『契約大臣』を開発・運営している株式会社TeraDoxが実例として、電子契約の導入前後に行なったことを紹介いたします。

  • 目次

新型コロナウイルス感染拡大による通勤自粛でテレワークに切り替える企業が増え、それに伴い、クラウド上で契約を完結できる電子契約システムの普及率も大きく伸びました。
電子契約システム「契約大臣」を開発・運営する株式会社TeraDoxでは、コロナ禍以前から自社で開発した電子契約システムを顧客との契約に用いていました。
創業当初は紙で行っていた契約をどのように電子契約へと切り替えたか、導入するために行ったことなどをお話しします。
電子契約の導入を検討されている方の参考になれば幸いです。

 

株式会社TeraDoxが電子契約システムの導入を決めた理由


株式会社TeraDoxでは、振袖を扱う呉服店やレンタルショップが探せる業界最大のポータルサイト『My振袖』や、七五三の記念撮影ができる写真館を探せるポータルサイト『七五三クラブ』などを運営しています。

日本全国の呉服店や写真館を掲載しており、多くの企業や店舗などの事業者と取引があります。

 

当社のポータルサイトでは、掲載を希望する事業者との間で契約を締結しています。

運営開始から徐々に取引先が増え、当然ながらそれに比例して契約書の数も増加していき、契約書に関する対応が大きな課題となってきました。


 

具体的にはどんな契約の課題があったのか?


課題は大きく分けて3つありました。
 

課題1.契約書に関する一連の作業にかなりの労力と時間を要していた

 
当社では当時、以下のようなフローで契約書の締結を行なっていました。

  1. 当社が署名捺印した契約書をPDFファイルにして取引先にメールで送る
  2. 取引先はPDFファイルを印刷し、署名捺印したものをFAXで返送
  3. 署名捺印した契約書の原本を当社へ郵送

 
1. の時に代表や上長が不在の場合は契約書のチェックと社印がもらえず、送付に時間がかかっていました。
2.の際は取引先側で印刷し、内容を確認、署名捺印、返送・・・と、工程が多く、日数を要するのは避けられませんでした。
3. はどうしても郵送には時間がかかり、とくに遠方から送られる場合は日数を要していました。


課題2.契約書ごとの状態を把握するのが大変だった

 
ひとつの取引先に対して複数の契約書を交わすのもあり、どの契約書を「発送済みか」「上長の確認待ちか」「締結しているか」といった進捗を管理するのも容易ではありませんでした。
どうしても当社と取引先の双方で抜け漏れが生じやすく、未発送や未返送の契約書が発生し、急ぎの締結依頼や返送依頼といった対応に追われることも少なからずありました。


課題3.収入印紙や郵送費のコストがかさんでいた

収入印紙の貼り付けが必要な契約書の場合、一つの契約書に対して数千円〜の収入印紙が必要となり、取引先と契約書の数が多い当社にとっては高額な費用でした。
さらにその契約書を簡易書留などで郵送して・・・と、郵送費も積み重なって相当のコストがかかっていました。


自社でシステムを開発した理由


先述した課題を解決すべく業務改善などの情報収集をしていると、当時はまだあまり浸透していなかった電子契約というシステムが目に留まりました。
 
契約書に印はなくてもよい、取引先も契約締結が簡単、収入印紙がいらなくて郵送も行わない。
その仕組みから、抱えていた課題を解決できると見て、様々な電子契約サービスの検討を行いました。
 

検討の結果、自社で電子契約システム開発を決断

各社の電子契約サービスに関する資料を請求したり、試してみたりはしたものの、導入には踏み切れませんでした。
その理由は、当社の業務に合わせたカスタマイズが難しかったことと、価格面がハードルになっていたことです。
 
市場のサービスを利用するのは難しいが、電子契約は使いたい。
 
自社で作ることができれば、求めているものが作れる。
当社は自社内でWebサービスの開発・運用を行なっており、元々エンジニアがいる環境でした。
電子契約システムは今まで開発したサービスとは全く異なる分野でしたが、取引先とやり取りを行う営業部、契約書の事務処理を行う経理部、システムの設計や実装を行う開発部のメンバーが集結し、電子契約システムの開発をはじめました。

 




電子契約の導入にあたり、自社内で行ったこと


紙の契約書から電子契約へ切り替えることにより、今までのやり方から変更が生じます。
そこで、最初に営業部と経理部が共同し、契約書の管理方法や請求処理などといった契約に関する全般の業務フローを制定しました。
システム化をきっかけに、曖昧になっていた手順や期日などにもルールを設け、明瞭化していきました。
 
電子契約システムが完成したところで、新規の契約や更新で新しく契約書を作成するものから、随時電子契約書への移行を開始しました。




電子契約の導入にあたり、取引先へ行ったこと

 
社内の切り替え準備を行うと同時に、取引先へこれからの契約を電子契約に切り替えていく旨を案内しました。
取引先の業界は伝統や慣習を重んじる面があり、電子契約が受け入れられるだろうかという不安は少なからずありました。
 
しかし、いざ電子契約の仕組みと操作方法の説明を行ってみたところ、「(ボタンを押すだけで)簡単に操作できるなら問題ない」「むしろ楽に契約できていい」と、とてもいい反応が返ってきました。
 
契約業務に課題を感じていたのは当社だけでなく、取引先も潜在的に感じていたこと。良いものであれば、受け入れられるということ。
 
この説明の機会を通じて、電子契約の導入が成功する確信を得られたと思います。


電子契約導入によるメリット

 
電子契約は、何といっても契約締結をスピーディーに行えることが最大のメリットであると当社は感じています。
例えば商談の直後など、最も熱量の高いときに即契約書を送付できます。相手側も契約の締結を簡単な操作で完結できるため、受注から締結までの日数が従来は最短でも1週間近くかかっていたものを、電子契約では即日の契約締結が可能です。
間を置くことによるリスクを回避し、ビジネスチャンスを掴めることは非常に大きな利益をもたらしていると言えます。

紙の管理で陥りがちな問題も、契約書そのものがクラウド上にあるため、必要な契約書を探し出す手間や紛失の恐れがなくなりました。
 
コストの面においても、収入印紙や郵送料といった金銭コストと、契約書にかかっていた時間の短縮といった人的コストの削減を実現しました。


電子契約を導入してから苦労したこと

 
電子契約の導入をはじめてからの変化は、勿論いいことだけではありません。
切り替えにより苦労したことは、「電子契約で締結した新しい契約書」と「紙で締結した継続中の既存の契約書」との二重管理です。
 
最初のうちは、どの取引先が電子契約で、どの契約が紙で・・・を把握するのにも苦労していました。
紙の契約書の契約期間が終了したものから随時電子契約に切り替えていき、時間をかけて移行しました。
 
社外向けに提供している電子契約システムの「契約大臣」では、紙の契約書をスキャンしてPDF化したものをクラウド上で保管できる機能が実装されているため、これから電子契約へ切り替えを行なっていく企業の方も管理(保存)がしやすくなっています。


電子契約の導入にお悩みの方へ


電子契約システム『契約大臣』は、リーズナブルな価格帯と分かりやすい画面操作が特徴です。
シンプルな機能でありながら契約書の送信締結履歴や非改ざん防止の仕組みなど、契約締結の法的根拠を証明します。

電子署名法第3条や電子帳簿保存法に準拠しているため、安心してお使いいただけます。
ご不明な点はメールや電話でサポートいたします。
また、ご要望がありましたら画面操作のデモンストレーションを行います。
 
導入にあたって行う準備のご相談など、まずはお気軽にお問合せください。
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※この記事は2022年4月時点の情報を基に執筆し、2023年7月に更新されています。

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