電子署名を無料で利用するためには、無料のツールやサービスを使う方法が一般的です。この記事では、無料で使える電子署名のサービスを8選でご紹介します。目的に合わせた選び方についても解説するので、契約を安全に締結するための参考にしてください。
あらゆるものの電子化が進み、電子契約も広く普及してきました。
その波の中で、手軽に電子契約を利用したい、と考える人もいるでしょう。
ただし電子契約には電子署名の付与が望ましいため、無料で使える電子署名を探している人も少なくありません。
この記事では、無料で使える電子署名のサービスを8選でご紹介します。
目的に合わせた選び方についても解説するので、契約を安全に締結するための参考にしてください。
まずは、電子署名の基礎知識をおさらいしておきましょう。
電子署名は、電子契約などの電子文書に付与される署名のことです。
電子署名には電子証明書が付与されていて、これは第三者機関によって発行されます。
第三者機関で本人確認を行い、これを承認された人のみが使えるサービスとなるため、電子証明書を付与することでなりすまし被害を防ぐことが可能です。
電子署名があることで、間違いなく本人が作成したものであることの証明と、文書の内容が改ざんされていないことの証明ができます。
紙の契約書のように直筆の署名や捺印ができない電子契約書には、電子署名が不可欠であるといえるでしょう。
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電子書類に契約者の情報などが付与されるものを、一般的に「電子署名」と呼びます。
電子署名は、紙の契約書における「署名捺印+印鑑証明書」に代わる存在です。
一方で、タブレットなどに、確認の意味で手書きのサインをする「電子サイン」もあります。
電子サインは、「認印」のような感覚で使われます。
たとえば、宅配を受け取る際の確認のサインや、お店でポイントカードを作る際などに「書類を確認した」という意味で行うサインなどです。
電子サインは電子署名のように電子証明書を付与するものではなく手軽に使えるため、さまざまな場面で活用されています。
ただし、法的根拠が必要な契約書の場合は、電子署名を活用するのがおすすめです。
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電子署名を無料で利用するためには、無料のツールやサービスを使う方法が一般的です。
ツールやサービスには電子署名を使うための環境が整っているため、初めての人でも使いやすいでしょう。
また、有料のツールやサービスの無料お試しを活用するのもおすすめです。
さまざまなツールやサービスがあるため、目的や使い方に合ったものを選びましょう。
ここからは、無料で使える電子署名・電子サインのツールとサービスを、あわせて8つご紹介します。
まずは、無料で使える電子署名ツール4つについて、解説します。
Acrobat Readerは、普段からPDFを開く際などで活用している人も多いのではないでしょうか。
Acrobat Readerでは、デジタルIDを作成することで、すぐに電子署名を使うことができます。
デジタルIDを設定すると、「電子署名」が選択できるようになる仕組みです。
PDFエディターであるLightPDFにも、電子署名ツールが付属しています。
登録の必要はなく、個人情報を入力しなくても電子署名を利用できることが特徴です。
電子署名付きのPDFファイルをダウンロードする際であっても、アドレスの入力などの手間がなく手軽に使えます。
PDFに署名するためのオンライン電子署名プラットフォームが、DigiSignerです。
DigiSignerは自由度が高く、署名のフォントカラーを変更したり、日付を入力したりできることが特徴です。
PDFfillerもPDFエディターですが、初めてPDFを編集する人でも使いやすい操作性が特徴となっています。
PDFfillerはファイル共有方法が豊富で、スマホアプリでも使えます。
無料で使える電子署名・電子サインのサービスも、ここで2つご紹介します。
電子署名サービスを展開する電子印鑑GMOサインは有料サービスですが、無料で使えるプランもあります。
無料の場合は使える機能が制限されてしまいますが、月に5回まで電子署名付きの電子契約を行うことができます。
タイムスタンプも無料で使えるほか、手書き署名などにも対応していることが特徴です。
さまざまな機能が豊富にそろっていて、無料プランでも使えるさまざまな活用が可能です。
弁護士監修のクラウドサインは、知名度の高さと使い勝手の良さが魅力のサービスです。
無料プランでは、月に5件までの送信が可能で、アカウント数は1名までとなっています。
有料プランでは、SlackやSalesforceなどと連携できるため、業務をより効率化できる仕組みが整っています。
電子署名が無料で使えるサービスはありがたい反面、有料プランになると比較的高額な傾向にあります。電子契約を本格的に導入することを検討している場合にはネックになってくるでしょう。
無料のプランでは電子署名を使えない代わりに、電子サインを付与できるサービスもあります。
これらのプランは有料プランでも契約書の重要度に応じて電子署名のあり・なしを選択でき、コストを抑える事が可能です。
無料の電子サインサービスを2つご紹介します。
freeeサインの特徴は、WordやExcel、PowerPointといったOffice系ソフトで作成した契約書を電子契約に用いれることです。これらのファイルはアップロード時に自動的にPDF形式に変換されます。
自前で作成したPDFファイルをテンプレートとして登録することも可能です。
無料プランでのテンプレート登録は3個まで、契約書の送信数は月に1件までとなっています。
中小企業や個人事業主向け電子契約の契約大臣が提供している無料プランではアカウント数1名で、1ヶ月に1件の送信が可能です。
無料でありながらも、複数の契約書テンプレートが使え、電話やメールによるサポートが受けられるため、初めて電子契約システムを導入する方にもおすすめです。
無料で使える電子署名は、ご紹介してきたようにいくつもあります。
この中から自社に最適なものを選ぶためには、まずどのような目的で電子署名を導入したいのかを考えてみましょう。
出費を抑え、まずは重要度の低い書類への電子署名から導入してみたいという場合には、無料のツールを活用してみるのも一つの手です。
一方で、重要な書類に手軽に電子署名をしたいが、法的効力もしっかりあるものにしたい、という場合は、有料ツールの無料プランを使ってみて、状況に合わせて有料プランへ移行するのもおすすめです。
また、電子署名のサービスはそれぞれで特徴が異なります。
機能が豊富に用意されているもの、サポートが充実しているもの、外部システムとの連携が充実しているものなどさまざまです。
このような機能を比較し、自社にとって使いやすいサービスを選ぶことが大切です。
無料の電子署名を使うことには、メリットだけでなくデメリットもあるので、それぞれ確認しておきましょう。
何よりのメリットは、費用をかけずに電子署名を利用できる点です。
月に1~2件と電子署名を使う機会が少ないのであれば、無料の電子署名を使うほうがお得かもしれません。
無料なのでさまざまなサービスを比較して、より合うものを見つけられることもメリットです。
社内や取引先の反応を踏まえ、どのサービスがベストなのか、自社に合っているのかをじっくり検討することができます。
無料の電子署名は、1ヶ月あたりに使える回数が制限されている場合が多くなっています。
そのため、月の途中で「使いたいのに使えない」という状況になってしまうこともあります。
また、サービスによってはタイムスタンプが付与されないなど、法的証拠力が担保されなくなってしまう場合もあるので注意が必要です。
デジタルIDを自分で作成し電子証明書を発行するサービスもありますが、これも第三者機関により発行される電子証明書と比べると証拠力が低いため、重要な契約などへの電子署名には使えないことがあります。
無料の場合は対応しているファイル形式が少なく、普段使っているファイル形式では使えない可能性がある点もデメリットです。
有料の電子署名を使うことの、メリットとデメリットも確認しておきましょう。
有料の電子署名を使えば、多くの書類に電子署名を行うことができます。
プランにより署名数は決められている場合が多いですが、その企業それぞれの状況に合ったプランを選ぶことも可能です。
また、有料の電子署名であれば、セキュリティ対策がしっかりしていて安心して使えることもメリットです。
特に重要な書類であっても、タイムスタンプが付与されているなどすれば、法的証拠力も高くなります。
これを利用することで、書類の信頼性をより高める効果も期待できます。
有料の電子署名の利用には、どうしてもコストがかかります。
電子署名をあまり使わなかった月には、コストが無駄になってしまう可能性も考えられます。
1ヶ月に自社がどれくらい電子署名を使うのかをあらかじめ把握しておき、最適なプランを選ぶことが大切です。
電子契約などの電子文書の信頼性を高める存在である電子署名は、自社に合い、安全に使えるものを選ぶ必要があります。
無料プランも多くありますが、そのメリット・デメリットをふまえて有料プランの利用も検討してみると良いでしょう。
電子契約システム「契約大臣」は無料ではじめることができ、有料のプランでも月々2,200円(税込)からとリーズナブルな価格帯で利用できることが特徴です。
電子署名法や電子帳簿保存法に準拠しているほか、契約締結の証拠として契約者双方のメールアドレスなどを記録しているなど、安全に電子契約を締結できる環境を整えています。
初めての方でも操作しやすく不明点はメールや電話でのサポートしているので、まずは無料のフリープランから、ぜひお気軽にお試しください。
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※この記事は2023年6月時点の情報を基に執筆されています。