文書管理とは?目的や保管方法の基本、文書管理システム導入のメリット

更新: 2023-01-20 17:33

社内で取り扱う様々な書類を管理することを「文書管理」と言います。近年のデジタル化に伴い、文書の管理方法にも少しずつ変化が見られるようになりました。今回は電子システム・紙媒体それぞれの管理方法やメリットなどについても詳しく解説していきます。

  • 目次

お客様からお預かりした個人情報や機密情報を適切に管理することは、企業に求められる重要な役割のひとつです。
重要書類などの文書管理は仕事をする上で必要不可欠な業務ですが、近年のデジタル化に伴い、文書の管理方法にも少しずつ変化が見られるようになりました。

今回は、そもそも「文書管理」とは何なのか、そして電子システム・紙媒体それぞれの管理方法やメリットなどについても詳しく解説していきます。


文書管理とは?


社内で取り扱う様々な書類を管理することを「文書管理」と言います。

ビジネスシーンでは、契約書や名簿、財務関係・労務関係の書類など、個人情報や機密情報が記載された書類を取り扱う機会が多数訪れます。
これらの重要書類の中には法律で保管が義務付けられているものも多く、情報の漏洩を防ぐためにも適切な管理が求められています。

文書管理の定義

ただ書類を保管していることだけが「文書管理」ではありません。
そもそも「管理」という言葉には、「常によい状態が保てるように気を配り、必要な手段で処理する」という意味があります。
つまり、書類作成から保管→最後に破棄するまでを担うことが、「文書管理」の定義と言えます。

文書の保管方法については、下記の項目でも詳しくお話していきます。

文書管理の目的

文書管理最大の目的は、「書類に記載された情報の漏洩・改ざん・書類の紛失などを防止すること」です。
この他にも、「仕事をする上で必要な情報を有効活用できるよう、情報が記載された書類を管理すること」も目的のひとつとして挙げられます。

書類には多くの情報が記載されています。その情報を、"外部には漏らさない" "社内では活用する"ことが文書管理の目的です。
適切に文書を管理することは、生産性と社会的信用の向上にも繋がります。

企業によって「文書管理規定」を定めている

一般的には、企業ごとに「文書管理規定」が定められています。
「文書管理規定」とは、書類の取扱いについて社内で統一して取り決めるルールのことです。

社内で文書の取扱いを統一しておくと、必要な時に・必要な人へ情報が行き渡りやすくなります。企業のコンプライアンス強化のためにも、「文書管理規定」を定めてスムーズに文書を管理しましょう。

文書管理が適応される範囲

文書管理をする際は、書類の重要度から取捨選択をすることがとても重要です。不要な書類をいつまでも保存しておくメリットはありません。

では、実際に管理する範囲はどのように定めたらよいのでしょうか?
まずは、不要な書類を明確にする必要があります。

不要な書類の見分け方

下記2項目に当てはまる書類は、不要な書類に分類しても問題はないでしょう。

  • 法律で保存が義務付けられていないもの
  • 今後、見直したり情報を再確認する予定がないもの


不要な書類を大量に抱えていると手間もコストもかかってしまうため、思い切って破棄することも大切です。

文書管理とは?:不要な書類の見分け方


文書管理の重要性について


前の項目でも少し触れましたが、ここからは「なぜ文書管理が企業にとって重要となるのか?」その理由について詳しく解説していきます。

業務の効率化

書類を適切に管理できていないと、欲しい書類を取り出すのに時間がかかってしまいます。
社内で管理方法を共有しておかなければ、たとえ分かりやすく管理されていた書類だとしても、誰もがスムーズに探し出すことはできません。

管理方法がしっかりと周知されていれば、もし契約後にトラブルが起きた際や顧客から質問があった場合にも、必要な書類をすぐに探し出すことができるため、迅速な対応が可能です。

リスクマネジメント

重要書類の中には個人情報や機密情報などが記載されているものも多く、外部に漏洩してはいけない情報がたくさんあります。
万が一外部に流出してしまった場合は、企業が社会的信用を失うだけではなく、損害賠償を請求されるケースも少なくはありません。
文書管理を徹底していることで、このような情報漏洩等のリスクを軽減することも可能です。


紙?電子データ?文書や書類の適切な管理方法は?


文書管理方法には、「紙で保管する方法」「データで保管する方法」の2種類があります。
昔は紙の書類をファイリングして管理することが一般的でしたが、近年の電子化・ペーパーレス化の促進に伴い、文書管理の方法も変化してきています。

紙・データそれぞれの管理方法の違いや特徴をしっかりと理解し、適切な方法で文書管理を行いましょう。

紙媒体でファイルに分類して保管する

紙の書類を種類ごとにファイルで分類し、保管するという従来の文書管理方法です。
定期的に書類を見直さないと紙の量は増えていく一方のため、保存期限の過ぎたものや保存する必要のないものは適宜破棄する等の作業が必要です。

紙書類の特徴

  • ファイリングを工夫することで、書類が探しやすくなる
  • 誰でも読みやすい
  • 目視で探さなければいけない
  • 保管場所を確保する必要がある
  • 定期的に書類を見直し、取捨選択する


文書管理システムを用いてデータで管理する

「文書管理システム」とは、デジタル化した書類をデータ上で管理することです。
書類の作成から破棄するまでの流れを一括管理することができるので、近年取り入れる企業が増えてきています。

「文書管理システム」の特徴やメリットについては次項にて詳しくご説明します。

紙?電子データ?文書や書類の適切な管理方法は?


2022年1月から「改正電子帳簿保存法」が施行!保存方法を解説


「電子帳簿保存法」とは、事業者が取り扱う重要帳簿や書類を、電子データで保存するために定められた法律です。
1998年に施行されて以降幾度となく改正されていますが、2022年1月の改正法施行によって「電子取引」に関するデータ保存の義務化が盛り込まれ、話題になりました。
このことからも、今後ますます会計ソフトやクラウドサービスを利用する機会が増えることが予想されます。「電子取引」や「電子帳簿保存法」についての理解も深めておきましょう。

書類を電子データとして保存しておく方法は、以下の3種類があります。

《1》電子帳簿等保存

「電子帳簿等保存」はパソコンなどで一から帳簿や書類を作成し、そのままデータで保存しておくという方法です。

《2》スキャナ保存

紙の書類をスキャナや写真で取り込み、PDFファイル等に変換して保存することを「スキャナ保存」と言います。

《3》電子取引保存

「電子取引保存」とは、電子取引のやり取りで発生した書類を保存しておく方法のことです。
例えば「電子契約システム」を利用した場合、紙の契約書は存在せず電子データのみでのやり取りになります。従来はこれを印刷して保存することが認められていましたが、法改正によって「データでやり取りしたものはオリジナルの電子データのままで保存」することが求められるようになりました。

(※ただし、2023年12月末まではやむを得ず対応できない場合は紙に出力しての保存が認められている)

関連リンク
電子帳簿保存法の改正内容をわかりやすく解説
電子帳簿保存法の対応準備できていますか?システム要件や対象書類を解説


文書管理システムの機能とメリット


上記のことからも分かるように、「電子帳簿保存法」は時代に合わせて常に変化し続けています。
今後ますますデータ化・ペーパレス化が進むことが予想されるため、いざという時に慌てないためにも、「文書管理システム」についての理解を深めておきましょう。

ここからは、「文書管理システム」の機能やメリットについて解説していきます。システム導入をご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。


「文書管理システム」の一般的な機能


利用できる機能は導入する「文書管理システム」によっても異なるため、ここでは一般的な機能についてご紹介します。

  • 書類をデータ化してファイル保存
  • 種類ごとに分類できるフォルダ機能
  • 検索機能
  • 管理や編集権限の付与
  • 情報管理機能
  • バックアップ機能
  • 共有機能


通常の「文書管理システム」には、上記のような機能が搭載されていることが多いです。
「難しい機能は使いこなす自信がない」という方でも、最低限の機能があれば十分に管理することができます。「システム」と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、シンプルな機能のみであれば覚えることも少ないため、初めての方にもおすすめです。

文書管理システムのメリット


ペーパレスで場所や費用の削減に繋がる

では、「文書管理システム」を導入するとどのような効果が得られるのでしょうか。
最も分かりやすいメリットとしては、場所やコストの削減が挙げられます。

紙とは言え、書類が大量に集まればそれなりの保管場所が必要です。その点電子データであれば、紙の書類とは違いデータ上での管理となるため、実際に保管場所を確保する必要がありません。

見たい書類がすぐに見付かる

機能の項目でもご紹介したように、一般的な「文書管理システム」には検索機能が搭載されています。
検索機能を使えば欲しい情報をすぐに見付けられるため、これまで書類探しに要していた時間を大幅に削減することが可能です。

また、相手から書類の提出を求められた際にも、データですぐに送ることができます。スピーディーな対応は、業務の効率化だけでなく相手への印象アップにも繋がるでしょう。

時と場所を選ばずに文書を共有できる

「文書管理システム」は、ただ書類を管理するだけではありません。社内外での情報共有がスムーズに行えることも特徴のひとつと言えます。

リモートワークの促進によって、オフィスだけに留まらず様々な場所で仕事をする人が増えました。必要な書類をデータですぐに出したりアクセスできるようにしたりできれば、時と場所を選ばずに文書の共有が可能になります。

また、データの編集や管理の権限を個別に付与できるという点も、「文書管理システム」の大きなメリットのひとつです。相手を選んで文書を共有できるため、情報漏洩等のリスクマネジメントにも役立ちます。
働き方の多様化と共に、書類の管理の方法も見直す時期がやってきたのかもしれません。

セキュリティが強化

前項でも少し触れましたが、管理システムは紙で書類を管理するよりもセキュリティ面を強化することが可能です。
紙の書類で保管している場合、万が一にも紛失や漏洩してしまえば企業の責任問題となり、社会的信用を失うだけでなく、損害賠償を請求される恐れもあります。

「文書管理システム」は、アクセス権限や管理パスワードを設定することができるため、機密情報の保護や外部からの不正攻撃対策にも効果的です。

さらに、書類の作成者の情報や日時、変更点等がデータとして残ることで、書類の抜き差しや改ざんリスクを防止することにも繋がります。

文書管理システムのメリット


「文書管理システム」のデメリット

ここまでは「文書管理システム」の多くのメリットについてご紹介しましたが、デメリットについても理解しておく必要があります。
ここからは「文書管理システム」のデメリットについて解説していきます。

慣れるまでには時間とコストがかかる

どのような業務にも言えることですが、新しいことを取り入れるためには、それなりの勉強と費用が必要です。
「文書管理システム」を導入するためにも、運用ルールの作成・システム導入の費用・運用するための費用・社員への教育など、時間とお金がかかります。

これらのデメリットとメリットの両面を考慮した上で、導入を検討する必要があります。
最初は大変かもしれませんが、慣れてしまえば業務のスリム化が実現し、紙代・郵送費・印紙税などの費用も大幅に削減されるため、長期的に見ればメリットの方が大きいでしょう。

定期的なメンテナンスが必要

システムは導入したら終わりというわけではありません。
安全に運用していくためには、月々の利用料はもちろん、定期的なアップデートやメンテナンスも必要です。
今は様々な「電子システム」がありますので、なんとなく導入するのではなく、予算や条件に合わせたものをしっかり探していきましょう。

まだまだ紙媒体で保管が必要な書類もある

上記でもご説明しましたが、「電子帳簿保存法」の改定によって様々な書類が電子データで保管できるようになってきています。
しかし、重要書類の中にはまだまだ紙媒体での保管が義務付けられているものもあります。また、取引先が電子システムを導入していなければ、紙書類でのやり取りを求められるケースも少なくはありません。

このようなことからも、100%電子データで保存するということは難しいのが現状です。
電子システムを導入した場合でも、紙と電子データの両方で管理する必要があるため、それぞれの管理方法を使い分ける必要があります。
とは言え、今後もますます電子化が進むことが予想されるため、当面の間はよく利用する文書のみを電子化する等の工夫をしながら、業務の効率化を図っていきましょう。

「文書管理システム」のデメリット


電子契約システム『契約大臣』は、便利なグループ管理機能を搭載


文書管理システムを活用することは、すなわちペーパーレス化を促進することになります。
保存している紙の書類だけでなく、新たに発行する書類も電子文書に順次切り替えていきましょう。
例えば、従来の紙に署名捺印を施して相互に交わしていた契約書も、電子文書化することができます。

電子契約システム『契約大臣』は、契約をオンライン上で完結する電子契約に必要な機能を搭載し、シンプルで簡単な操作性にこだわっています。
そのため、実際にご利用頂いたユーザー様からは「初心者でも分かりやすい」と大変ご好評いただいております。

電子契約機能では、契約書の作成から契約締結、その後の保管・破棄までを全て一括で管理することができるだけでなく、部署や取引先ごとにグループを管理することが可能です。
利用ユーザーそれぞれに権限の付与ができるため、他の人に重要な書類を見られてしまうリスクもありません。

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