受託とは?委託・委任・請負との違い

更新: 2023-03-31 17:42

「受託(じゅたく)」とは「託された仕事を受けること」です。 この記事では、「委託」や「委任」「請負」との違いはあるのか、委託契約の具体例などを解説していきます。

  • 目次

多様な働き方を選択できる昨今、仕事における契約形態も様々です。
社外とやり取りをする「外注」や「請負」などを行っている会社も多いのではないでしょうか。
各契約によって報酬や契約義務についても異なるため、スムーズに業務を行うためにも、契約形態の違いについてはしっかり理解しておきたいですよね。

そこで今回は、社外でやり取りする際によく耳にする「受託契約」とはどのような契約形態なのか。また、「委託」や「委任」「請負」との違いはあるのか、などを解説していきます。

「受託」とはどんな契約形態?「委託」との違いは?


文字からも分かるように、「受託(じゅたく)」とは「託された仕事を受けること」です。
つまり、社外の人(企業や個人)から依頼を受け、それを引き受けることが「受託契約」となります。
また、他者から物やお金を預かる際にも「受託する」という言葉が使われます。

よく似た言葉に「受諾(じゅだく)」というものがありますが、こちらは「相手からの申し入れなどを承諾する」という意味となり、受託とはニュアンスが異なります。混同しないように注意しましょう。

よく聞く「受託」「委託」「委任」「準委任」「請負」の意味を理解しておきましょう


さらに、「受託」と似ている用語や契約形態として「委託」「委任」「準委任」「請負」などをイメージされる方も多いのではないでしょうか。
これらは「受託」と混同されがちですが、それぞれの契約形態にはしっかりとした特徴があります。

ここからは、「受託」と「委託」「委任」「準委任」「請負」の違いについて解説します。
それぞれの用語や契約形態の違いを理解しておくと、状況に応じた契約を結ぶことができますよね。

(※受託についての説明は、上記「「受託」とはどんな契約形態?」をご参照ください)

「委託」とは?

「委託(いたく)」とは、文字の通り「人に委ねて託す」ことです。
つまり、他社(もしくは他者)へ仕事を依頼して任せることを「委託契約」と言います。

自身の目線で考えた時の「受託」と「委託」の違いは次の通りです。

  • 受託…相手から依頼された仕事を引き受けて、自分が行うこと
  • 委託…相手に仕事を依頼して、自分の代わりに実行してもらうこと


「受託」と「委託」とは、一般的に「依頼する側」と「される側」というどちらの側から見るのかということによる違いと覚えておきましょう。

「委任」「準委任」とは?

「委任(いにん)」も「委託」同様、他者に依頼をして自分の代わりに実行してもらうという意味の言葉ですが、主に法律行為をすることを依頼する際に交わされる契約と覚えておきましょう。

そもそも「委任契約」は、民法643条によって

「当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」

と定められています。(法務省より引用)

このように「委任契約」が法律上の契約であることに対し、よく耳にする同じような契約形態に「準委任(じゅんいにん)」という言葉があります。
「準委任契約」は、法律行為ではない事務を依頼する際に用いられます。

つまり「委任」と「準委任」との違いは、依頼する事項が法律行為であるか否かということだと理解しておくとよいでしょう。



「請負」とは?

文字からも分かるように、「請負(うけおい)」には仕事を引き受けて責任を負うという意味があります。
「請負契約」の場合、条件や報酬などを明確に取り決めて契約を結び、その条件に沿って仕事を完遂し、成果物と引き換えに報酬を受け取るという流れが一般的です。

「受託」と似ているように感じますが、一般的には「受託契約」は業務を行う義務はあっても、成果物の納品義務は発生しません。対して「請負」には業務の完遂義務が発生するため、「受託契約」よりも「請負契約」の方が責任が大きい傾向にあります。

「受託」「委託」「委任」「請負」はどう使い分ける?具体例を紹介


では、「受託契約」「委託契約」「委任契約」「請負契約」は実際にどのような時に用いられる契約なのでしょうか。
ここからは、それぞれの契約の対象となる業務内容や具体例について解説していきます。

「受託契約」の具体例

「受託契約」の場合は、依頼主の代わりにその会社(もしくは個人)の業務をサポートする業務を受けるという側面が強く、一般的には次のような業務が対象となります。

  • 経理や人事などといった事務作業の代行
  • システム関係のメンテナンス作業
  • 情報管理の代行
  • 文書の作成代行など


「委託契約」の具体例

「委託契約」は、「外部委託」「アウトソーシング」「外注」とも呼ばれ、雇用をしていない外部の人に業務を依頼するため、特に専門性の高い仕事や、人手が必要な時に業務の効率化を図ることが可能です。
「業務委託」という言葉をよく耳にする方も多いのではないでしょうか。

個人事業主(フリーランス)へ仕事を依頼する場合や、クラウドソーシングを通じてワーカーの募集を行う際に、「委託契約」を結び、業務を委託するというケースが例として挙げられます。
主に以下のような職種の方は、「業務委託」で仕事を請け負うことが多いと言われています。

  • デザイナー
  • ライター
  • プログラマー
  • エンジニア
  • 事務所と所属契約を結んでいない芸能人 など




参考
業務委託契約書とは?必要となる状況および作成方法

「委任契約」「準委任契約」の具体例

前記したように、「委任契約」とは法律行為に関する契約のことを指します。
「委任契約」として締結される契約には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 弁護士に訴訟の代理を依頼する場合
  • 税金関係の申告などについて税理士に依頼する場合
  • 司法書士に書類作成を依頼する場合
  • 不動産業者に土地や家屋を売却依頼する場合 など


また、上記した「委託契約」のように法律行為が発生しないものは「準委任契約」に該当します。

「請負契約」の具体例

特定の業務の依頼を受け、成果を納品することで成立する「請負契約」ですが、非常に多くの具体例が挙げられます。
こちらでは、請負契約とはどのようなものなのかをイメージできる一般的な例をいくつかご紹介します。

  • ホームページの作成代行
  • デザイン制作
  • 広告制作
  • ソフトウエア開発
  • システム開発
  • 記事執筆
  • セミナー公演
  • 建設工事
  • 運送 など


つまり「請負契約」は、専門的な業務を外部に依頼するという意味合いで用いられることが多い契約形態と言えます。

参考
請負契約書には何を書けばいい?書き方と要点まとめ

「受託」「委託」「委任」「請負」それぞれの特徴を表で解説!


上記では「受託」「委託」「委任」「請負」の意味や事例をご紹介しましたが、それぞれの特徴を分かりやすく表にまとめました。

受託・委託・委任・請負の業務内容・具体例

手間のかかる契約書の作成は電子契約システム『契約大臣』にお任せ


一口に「契約」と言っても、その形態は様々であることがお分かりいただけたでしょうか。
各形態に合わせて契約書に記載する内容は当然異なりますし、社内で複数の契約を結んでいる場合は契約書を準備するだけでも一苦労ですよね。

そんな時に役立つ電子契約システム『契約大臣』なら、手間のかかる契約書もオンライン上で簡単に作成でき、契約先はサービスへの登録不要で契約を締結することが可能です。
契約内容に合わせて必須項目が記載された契約書テンプレートのご用意もありますので、手間のかかる契約書の作成時間が大幅に短縮でき、業務の簡素化・効率化が実現します。

業務委託契約書のサンプルもご用意しております

さらに、利用頻度の高い「業務委託書」や「雇用契約書」をはじめ、「基本取引契約」「秘密保持契約」などのサンプルも多数ご用意しております。
グループ管理機能を搭載し、ユーザー毎に契約書の整理ができるため、大切な契約書を紛失する心配もありません。

操作も簡単なため、外部との取引が多い方に大変ご好評いただいております。

>契約大臣について詳しくはこちら

契約大臣を無料でお試し登録 契約大臣を無料でお試し登録 電子契約システムの契約大臣サービスTOPへ
契約大臣で電子契約を始める