【例文あり】同意書と承諾書の違いとは?書き方や送り方を解説!

更新: 2023-01-10 18:32

同意書とは、これから起こりそうな事柄(法的行為・事実行為)について、事前に同意することを証明する書類です。この記事では、同意書とはどのような書類なのか、また承諾書の違いはどこにあるのかなどを、同意書の例文とともに紹介します。

  • 目次

「同意書を作らないといけないけれど、どんなことを書けば良いのだろう?」
「同意書って、何に気をつけて作ればいいの?」
このように思われたことはありませんか?

この記事では、同意書とはどのような書類なのか、また承諾書の違いはどこにあるのかなどを、同意書の例文とともに紹介します。
同意書に関して詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

同意書とは何か?


同意書とは、これから起こりそうな事柄(法的行為・事実行為)について、事前に同意することを証明する書類です。

例えば、手術時におけるリスク・個人情報の取り扱い・未成年者と契約締結をする場合などが該当します。
同意書は法的な証拠になる書類のため、同意を求める際には、記載されている内容を確認・理解した上で署名・捺印してもらうようにしましょう。

同意書の目的

同意書を作成し、署名・捺印する最大の目的は、法令や契約締結の際に本人による同意を得たことを明らかにすることにあります。


どういうことかというと、同意書の内容を相手方に承諾してもらい、「承知しました」という証拠として残すことが同意書の目的なのです。
このことにより、相手方が署名・捺印した後に内容を「聞いていない」と主張しても、同意書は法的根拠になるため、相手の訴えを退けることが可能です。

そのため、同意書は間違いや漏れのないように作成する必要があります。

同意書には法的効力はあるのか

同意書には法的効力があります。ただし、法律や公序良俗に反する内容が含まれていた場合、同意書は無効です。

同意書の法的効力は、次の3つの役割によって証明されます。

説明義務を果たした証明

契約を締結する際に、内容を説明する義務を果たしたことを、相手方から同意書に署名を得ることによって証明する

不完全な法律行為を完全にする

未成年者などと契約を締結する場合、保護者などの親権者からの同意を得ることによって、法律行為を完全なものとして成立する

特定の業種・業務における「同意を得た」条件を満たす

個人情報を第三者に提示する可能性がある場合など、事前に本人の同意を得ることによって、第三者に提供する条件を満たす

同意書の有効期限は?

同意書には有効期限がありません。原則として、双方が同意している間は、同意書の効力は持続します。

同意書に有効期限を設けたい場合は、同意書を作成するときに「有効期限は○○年○○月○○日までとする」などの一文を追記するようにしましょう。

同意書とは何か?

同意書と承諾書の違いは?


同意書と承諾書は、名称が違うだけで役割の違いはありません。
どちらの書類も、同様の法的効力を持ちます。

「同意」と「承諾」にはこのような意味があります。

  • 同意…意見や求めることに対して賛成すること
  • 承諾…願いや要求を聞き入れたり引き受けたりすること


このことから、書かれている内容によって「同意書」「承諾書」を使い分けるのが一般的です。

同意書と契約書の違いは?


同意書と契約書には、「意見に同意するか」「内容について双方で合意するか」の違いがあります。

同意書は、これから起こりうる事柄について「了解した」ことを表明するものなので、同意書は基本的に1通しかありません。
同意書を相手方に提出してもらう際には、控えを渡したほうがよいでしょう。

対して、契約書は双方で内容に合意し契約を締結するものなので、書類は2通あります。
双方で署名・捺印をした上で、それぞれが1通ずつ保管するのが通例です。

同意書の使用用途や場面


同意書をどのような目的や場面で使用するのか解説します。
同意書は用途によって目的が異なるので、十分に理解した上で作成するようにしましょう。

個人情報の提供を受けるとき

同意書を使用する場面としてまず思い浮かぶのは、個人情報の提供を受けるときではないでしょうか。

例えば、クレジットカードや住宅ローンなどの申し込みを受けたときです。
クレジットカードやローンの申し込みを受けた場合、申込書に記入された個人情報を信用情報機関に照会し、過去の取引に問題がないか確認します。
このときに、相手方に個人情報を取得して第三者に提供する旨の同意書に署名・捺印をしてもらうことで、個人情報を取得して第三者提供することが可能になるのです。

個人情報を第三者に提供する場合や、要配慮個人情報の取得は、提供する本人の同意が必要と、個人情報保護法で定められています。

ただし、近頃はネットでカードの申し込みなどができるサービスも多く、同意書に署名・捺印をしてもらうのが難しい場合はどのようにして同意を得たらよいか疑問に思うのではないでしょうか。
この場合は、申し込みの途中に、個人情報の開示に同意する旨が記載されたチェックボックスを設けることで、同意書と同等の役割を果たします。

医療行為を提供するとき

手術などの医療行為を提供するときにも同意書を求められます。
なぜなら、医療行為には常にリスクがあるからです。
医療における同意書は「十分な説明を行ったことに同意する」意味で使われます。

手術を受ける患者側は、医師からの十分な説明と、同意書に書かれている内容を理解した上で、同意書に署名・捺印してもらうようにしましょう。

同意書の使用用途や場面

未成年者が契約をするとき

未成年者が契約するときにも法定代理人(両親などの親権者や未成年後見人)による同意書が必要です。
例えば、アルバイトや携帯電話の購入などが考えられます。
未成年者は十分な判断をするための経験が浅く、知識も不足していると考えられており、その状態で契約を締結した場合、後で大きなトラブルになる可能性もあるためです。
そのため、法定代理人の同意が必要となります。

なお、未成年者が法定代理人を介さずに契約を締結した場合は、未成年者本人や法定代理人が申し出ることによって契約の取消しが認められています。

給与明細の電子化を行うとき

給与明細の電子化を行うときには、事前に従業員から同意を得なければなりません。

企業側は給与明細の発行が所得税法により義務づけられています(所得税法第231条に記載)。
しかし、同じく所得税法第231条2項には、支払いを受けるものの承諾を得て、給与等の支払い明細書に記載すべき事項を電磁的方法により提供できる旨が明記されています。
この承諾の証明となるのが、従業員からの同意書です。

給与明細の電子化は、企業側にとっても従業員側にとってもメリットがあります。
企業側のメリットは給与明細の発行に関する印刷などの手間の削減や、誤配の防止に繋がります。
従業員にとっては、メールやクラウド上などで受領した給与明細をどこでも見られるので、例えばテレワークなど職場以外で働いているときでも、明細の確認が可能です。

同意書の記入事項と書き方


同意書の記入事項と書き方について紹介します。
同意書は特に決まった形式はありませんが、必ず記載しなければならない事項があるので、忘れずに記載しましょう。


同意書の必要項目
同意書には、以下のことを必ず記載しなければなりません。

  1. 同意書の表題
  2. 同意した年月日
  3. 同意した本人の氏名や住所および捺印
  4. 同意した内容


これらの項目が記載されていれば、同意書には特に決まった形式はありません。
テンプレートを上手く利用して作成するとよいでしょう。

考えられる場面で使用する同意書のひな形は、後述の「同意書のテンプレートと例文【ケース別】」にて紹介します。

同意書記入時の注意点

受け取った同意書に記入するときは、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

同意書は法的効力を持つ書類です。署名・捺印をした時点で「同意した」証明になります。
そのため、まずは内容をよく読み、同意しても問題ないか確認しましょう。
不明な点が見つかった場合はその場で質問し、間違いを見つけた場合は修正に応じてもらいます。

また、署名・捺印した後の同意書は控えをもらい、保管するようにしましょう。

同意書の記入事項と書き方

同意書の正しい送り方


同意書を送るときには、どのようなことに気をつけたら良いのか、また、送付方法を紹介します。
相手方に不快な思いをさせないためにも、送付方法に気をつけましょう。

送付状または添え状を付ける

同意書を送るときに、送付状や添え状は必ず必要というものではありません。しかし、添付して郵送するのが一般的となっています。
送付状を添えるのはビジネスマナーだからという理由が大きいですが、お互いにメリットもあります。

同意書を送付する側のメリット

  • 送った書類の種類や、署名・捺印して送り返して欲しい書類について相手に伝えられる
  • 書類を送るときに不足がないか確認できる


同意書を提出する側のメリット

  • どのような書類が届き、どの書類に署名・捺印して送り返せばいいのか一目でわかる
  • 書類を送り返すときにチェックリストとして使える



送付状や添え状には、書類の種類や送付数を簡潔に明記し、書類の一番上に添付して送付しましょう。

簡易書留で送る

同意書は重要な書類であるため、配達の履歴が残る「簡易書留」を利用するのがおすすめです。
簡易書留を利用すると、郵便物の追跡ができるため郵便物紛失時のリスクを軽減でき、もし配送中に郵便物の紛失や破損があった場合でも、5万円までの損害賠償が適用できます。

同意書は、相手方に意思を表明したり事実を通知する文書である「信書」に該当します。
信書をメール便や宅急便で送ると法律違反になるので、必ず郵送しましょう。

電子化を利用する

同意書をPDFファイルにして送信する方法もおすすめです。
電磁的方法で送付する方法にも、お互いにメリットがあります。

同意書を送付する側のメリット

  • 同意書を電子化して送信すると、プリントアウトや郵送の手間が省ける
  • 封筒代・切手代などのコスト削減に繋がる


同意書を提出する側のメリット

  • ネットに繋がる環境であれば、どこでも書類を受け取れる
  • 書類を送り返すために、郵便局やポストへ行く手間がなくなる


郵送の場合は配送事故のリスクもありますが、電子化して送信するとその心配もありません。

また、電子データで保管できるため、郵便物の紛失や破損があった場合保管するスペースの削減も可能です。

同意書の正しい送り方:電子化を利用する

同意書のテンプレートと例文【ケース別】


同意書のテンプレートと例文紹介します。
この3つのケースは、同意書を作成することが特に多いのではないでしょうか。
ぜひ、参考にしてください。

個人情報提供に関する同意書のテンプレート


タイトル:個人情報取扱同意書



                                                  記


株式会社○○(以下「当社」)は、お預かりした個人情報について、以下のとおりお取り扱いいたします。

1.利用目的
当社は、収集した個人情報について、以下の目的のために利用します。
① ○○のため
② ○○のため
……

2.個人情報の第三者提供
当社は、以下の場合を除いて、個人データを第三者へ提供することはありません。
① ○○
② ○○
……

3.開示請求

貴殿の個人情報については、個人情報保護に関する法律に基づき、当社に対して個人データの開示・訂正・削除・利用停止を請求できる場合があります。
各種請求や質問・お問い合わせにつきましては、以下の個人情報相談窓口にご連絡ください。

〒○○○-○○○○
東京都○○区△△1-□□-□□
株式会社○○ 個人情報相談窓口
TEL:○○-△△△△-□□□□
FAX:○○-△△△△-××××
E-mail:○○@○.co.jp

                                                            以上


署名欄

私の個人情報を上記のとおり取り扱うことに同意します。                    

令和○○年○○月○○日

署名  ■■ ■■  印



個人情報提供に関する同意書を作成する際に、記載する主な項目は以下の4つです。

利用目的

個人情報保護法第18条1項にて、本人への通知または公表することが義務づけられている項目です。
同意書に利用目的を記載することで、本人への通知および通知したことの証明になります。

第三者提供

個人情報の第三者提供については、個人情報法第23条第1項に記載されている項目のほか、例外として提供するケースが考えられる場合は、その具体例も記載し、本人の同意を得るようにしましょう。

開示請求について

個人情報は、本人による申し出により、開示・訂正などができます。
それらの権利についても、同意書に記載し本人からの同意を得た方がよいでしょう。

相談窓口

提供した個人情報について問い合わせをしたいときに、どこに問い合わせをすればいいかわからない、というようなことがないように、相談窓口も同意書に記載した方が賢明です。
また、相談窓口が記載されていると、問い合わせやトラブルが発生したときの処理体制ができている証明にもなります。

医療行為に関する同意書のテンプレート


タイトル:○○(医療行為)に関する同意書



〇〇病院
院長 殿


私は、現在の疾病の治療に関して十分な説明を受け、十分に理解した上で手術または治療を受ける事に同意します。


                                                            記



病名:
症状:
手術(治療)計画:
留意事項:

                                                            以上


署名欄

令和○○年○○月○○日
(患者氏名)  ■■ ■■   印



医療行為に関する同意書では、患者に十分な説明を行い、それを理解した上で同意することが何よりも大切です。
そのため、同意書にも以下のことを記載するようにしましょう

病名

患者の現在の病名を記載します。

症状

病気が原因でどのような症状が出ているのか、あるいはこれから出る可能性があるのか、明らかにすることが必要です。

手術(治療)計画

手術(治療)計画について明らかにしましょう。手術が必要なときは、手術日なども明記します。

留意事項

手術(治療)を行うに当たって考えられるリスクなどを、事前に明らかにしましょう。
具体的な例を挙げて説明することで、患者も納得した上で手術や治療を受けられます。
また、問題が発生した際に同意書にそのことが明記されていないと、トラブルの原因になる可能性もあります。

法定代理人の同意が必要なときの同意書のテンプレート


タイトル:法定代理人同意書



○○○○株式会社
代表取締役○○○○殿

以下の者が貴社との間で、下記契約の申し込みおよび契約の締結を行うことに対し同意いたします。


【契約を締結する者】

(未成年者の氏名):○○
(未成年者の生年月日):○○
(未成年者の住所):○○



【契約の内容】

○○


                                                            以上


署名欄

令和○○年○○月○○日

(法定代理人の氏名・捺印)  ■■ ■■ 印
(法定代理人の住所)  ■■■■■■■■ 
(未成年者との関係)  ■■ 



法定代理人同意書には、以下の内容を記載する必要があります。

契約を締結する者の氏名・生年月日・住所

契約する本人が誰なのか明確にします。この場合は未成年者が契約を行うので、未成年者の情報を記載します。

契約の内容

契約の内容を記載します。契約の目的や内容、金額など具体的にし、何に対して同意するのか明らかにしましょう。

法定代理人の氏名・住所

法定代理人(保護者など)の氏名・住所を明記し、誰が同意するのか明らかにします。

契約する本人との関係

契約する本人と法定代理人がどのような関係なのか、明らかにすることも重要です。

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同意書は電子化して作成・送信が可能です。
電子化することにより、プリントアウトや郵送の手間を省き、切手代などのコスト削減もできます。

同意書を電子で作成するなら、電子契約システムを利用するのがよいでしょう。
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まとめ


同意書は、医療行為や個人情報を提供するときなど、これから起こりうる行為に対して同意したことを証明する書類です。
「承諾書」と書かれている場合もありますが、役割はほぼ同じで、署名・捺印することで法的効力を持ちます。
そのため、同意書に書かれている内容はよく確認し、理解した上で署名・捺印を行うようにしましょう。

同意書は、用途に応じて記載する内容が変わってきます。
何パターンもひな形を用意するのは大変なことですが、電子契約システムを使うと入社時誓約書といった同意書のひな形も用意されているので、作成が楽になります。

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