三文判とは?シャチハタ・認印・実印との違いとその用途

更新: 2022-09-20 11:28

三文判とは、手頃な価格で手に入る大量生産されたプラスチック製のハンコを指します。実印や銀行印、認印のような用途を表すものではなく、シャチハタとも異なるため違いを理解する必要があります。この記事では、三文判の特徴から用途・購入方法・注意点まで解説します。

  • 目次

三文判は、工場などで大量生産された安価で入手可能な印鑑のことです。
ホームセンターや文具店などで回転式のケースで売られている印鑑を、一度は見たことがあるのではないでしょうか。
この記事では、三文判とシャチハタ・認印・実印との違いや、特徴や用途について紹介します。
 

三文判って?


三文判は「大量生産された安く手に入る印鑑の総称」であり、実印や銀行印、認印のような用途を表すものではありません。
「三文判で良いから押すように」とは「安い印鑑で良いから朱肉を使って捺印すること」という意味です。
また、インクが内蔵された浸透印(シャチハタ)やスタンプ(ゴム印)を三文判に分類するケースもあります。

三文判は、「二束三文」から名付けられたとも言われます。
江戸時代で使われていた通貨の最小単位が「文」です。
「二束三文」は二束あっても三文程度の価格にしかならない、ほとんどもうけがない、質も良くないことを意味する四文字熟語です。
名前の由来からも、三文判は安価な価格で大量に販売する、素材にこだわりのない印鑑と言って過言ではないでしょう。

三文判はアクリルや「ラクト」と呼ばれる牛乳のタンパク質を原料としたプラスチック素材が主に使われています。
材料費が安く加工もしやすいことから、文具店やホームセンター、100円均一ショップなどで数多く販売されています。

シャチハタとの違いについて

三文判は、工場で大量生産され安価で販売されている印鑑の総称です。
対して、シャチハタは生産量・販売価格を問わずインクを内蔵した浸透印のことを言います。
シヤチハタ工業株式会社が浸透印を世に広めたため、インク浸透印をシャチハタと呼ぶことがあります。
シャチハタも、100円均一ショップにあるような大量生産された印鑑であれば三文判と言えるでしょう。そのため、三文判=シャチハタと言ったり、逆にシャチハタを三文判と言ったりする人もいます。

しかし、オーダーメイドや特注などで値が張ってくる場合は、浸透印でも三文判とは言えなくなります。

シャチハタは印面がゴム製のため柔らかく、強く押すと印面が変わってしまうことがあります。
そのため、実印や銀行印として使用不可なのはもちろん、認印としても使用できないケースがあるので注意が必要です。

シャチハタは、社内の回覧板や宅配便・郵便を受け取る際の受領印として使用する印鑑と覚えておくと間違いがありません。
シャチハタが使えないもの(履歴書)などには浸透印ではない三文判を使うようにしましょう。



認印との違いについて

認印は、自治体や銀行などで登録していない印鑑の総称です。三文判も認印の一種で、オーダーメイドで作成した印鑑も、登録していなければ認印になります。

認印は日常のさまざまなシーンで使われるため、誰もが1本は持っている印鑑と言えるのではないでしょうか。また、同じ印鑑が大量に生産されていることから、重要書類には使えないことが多くあります。
しかし、三文判とはいえ捺印したことにより意思表示を示すものであるため、取り扱いに十分注意しましょう。

三文判は、会社で使用するものと持ち歩くものというように使い分けをしたいときに、「認印の予備の印鑑」として所有するのに適しています。

実印との違いについて

実印は、市区町村に申請して登録された印鑑のことを言います。
法的効力は高く、1本しか登録できません。
実印は、不動産取引や自動車の購入、保険加入などの法律により押印が定められている場合に使用します。
実印の証明には「印鑑登録証明書」が必要で、実印と印鑑登録証明がセットになって、初めて実印が本人であるという証明になります。

三文判も印鑑登録すれば実印として使用可能です。ただし、自治体によっては三文判での登録そのものがNGの場合もあるので、印鑑登録の前に各市区町村に確認しましょう。
しかし、三文判を実印として登録するのは非常にリスクが大きいため(リスクについては、後述の「三文判の注意点は?」で説明します)、実印は専門店で作成したものを登録した方がよいでしょう。

実印との違いについて

三文判の特徴は?用途・購入方法・注意点も解説!


三文判の特徴や用途・購入方法・注意点について解説します。

三文判は、柔らかい素材のため取り扱いに注意が必要です。
また、認印同様にたくさんの人の目に触れる印鑑でもあるので、使用の際は気をつけましょう。

三文判の特徴

三文判の材料は、「ラクト」と呼ばれる牛乳由来のプラスチックやアクリル樹脂などがあります。
いずれも安価で加工しやすい素材のため、大量生産に向いています。
また、白や黒などの定番カラー以外にもマーブル模様や女性向けのカラフルな印鑑が作成可能です。

印鑑を使い分けたいときに、個性的な模様やカラーの三文判を作成してみるのはいかがでしょうか。

三文判はどんなときに使用するの?

三文判は、社内向けの書類など、重要性の高くない書類に使用します。

例:

  • 書類を見た証として
  • 宅配便・郵便物の受領印として
  • 履歴書の捺印
  • 雇用契約書の捺印など


非常に安価で購入できるので、認印が複数欲しいときの予備として、三文判を所有することも可能です。
営業職などで社外に出る機会が多い方は、メインとなる認印を持ち歩き、社内用として三文判を作成し置いておくと、便利に使い分けができます。

三文判はどんなときに使用するの?

三文判の購入方法は?

三文判はホームセンター・100円均一ショップ・文具店などで購入可能です。
一般的な名字でない場合でも、安価な素材なため手頃な価格で別注ができます。
一般的な料金は、1本1,000円未満がほとんどです。

三文判の注意点は?

三文判を使用する際には3つのことに注意する必要があります。

偽装・なりすましのリスク

三文判は大量生産されているので、ホームセンターや100円均一ショップに行けば誰でも同じ印面の印鑑が購入可能です。
そのため、偽造リスクやなりすましリスクが非常に高くなります。
また、日常的に使う印鑑のため印影が多くの人の目に触れます。三文判は実印として使用しない方がよいでしょう。

印面の欠け・変形・劣化のリスク

三文判は、強く押すと印面が変形したり、固いところにぶつけて欠けたりする場合があります。
実印や銀行印などに登録した場合、登録したときと書類に押したときの印面が違うと、たとえ同じ印鑑を使用していても無効となるため、注意が必要です。

保管する際の注意点

三文判は、高温に弱く車のダッシュボードなどに置いておくと変形してしまうので注意しましょう。
同様に、薬剤を使って手入れをした場合も印面が溶けてしまう可能性があります。
捺印後は、柔らかいティッシュなどで朱肉が乾く前に拭くようにしましょう。

三文判はどんなときに使用するの?保管する際の注意点

文書のデジタル化により捺印の機会は減っていく


リモートワークが普及したことにより、文書もデジタル化が進んでいるため、捺印の機会は以前より減っています。
しかし、デジタル化された書類に捺印が必要な場合は、電子印鑑を使用することで捺印が可能です。

電子印鑑は、Excelなどを使って作ることも有料サービスを利用することもできます。しかし、Excelなどで作成した場合は、偽造や印影の流出、なりすましなどのリスクがあります。
Excelなどの無料ツールで作成した印鑑は、多少の知識があれば簡単に同じ印面の電子印鑑が作成可能です。
また、Wordなどのファイルに添付した場合は、印影を勝手にダウンロードされる可能性があります。
電子印鑑にセキュリティ対策をする場合には、月額数百円〜利用できる有料サービスを使用すると良いでしょう。

また、近頃広がりつつある電子契約サービスでは、電子署名や認証タイムスタンプにより「誰が」「いつ」「どのようにして」契約書の送信や締結をしたのか記録されるため、捺印そのものが不要です。

電子契約システムなら契約大臣


契約大臣は、契約書の作成から契約締結までオンラインで完結できます。
契約書そのものが電子データで作成されるので、捺印は不要です。
また、契約大臣で初めて契約書を作成する場合でも、契約書のサンプル(テンプレート)の用意があるので簡単に作成できます。
そして、今現在使っている契約書のテンプレートがそのまま使えます。

紙の契約書では、印刷や製本、取引先に郵送するなど、何かと手間やコストがかかっていました。
しかし、契約大臣なら紙の契約書を作成する際の手間やコストは大幅にカットでき、工程の削減にも繋がります。

契約大臣は、2,200円(税込)/月から利用できるため、とてもリーズナブルです。
今まで、ランニングコストがネックで導入をためらっていた方にも導入しやすい金額になっています。
導入前に使用感を確かめたいときは、利用料0円のお試しフリープランがおすすめです。

ぜひ、直感的に扱える契約大臣を試してみてください。

まとめ


三文判は、大量生産されている朱肉を使って捺印する印鑑のことで、実印や銀行印のように「用途」を表すものではありません。

三文判は加工しやすい印鑑のため、変形や破損のリスクがあります。
また、実印や銀行印としても使用できますが、セキュリティ面のリスクが大きいため使用しない方がいいでしょう。
電子契約サービスなら捺印不要でコスト削減・作業効率の向上が期待できます。契約大臣にはお試しで試せるフリープランもあるので、ぜひ、使用感を体験してみてください。

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