契約自由の原則とは?4つの自由の内容、例外について分かりやすく解説!

更新: 2023-02-14 12:37

「契約自由の原則」とは、当事者同士の自由な意思によって結ばれた契約は、法律に反しない限りその自由を尊重するという原則です。この記事では、契約自由の原則やその例外について詳しく解説するので、お役立てください。

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新しく契約を結ぶ場面において、「契約自由の原則」という言葉が思い浮かぶこともあるでしょう。
しかし、「契約自由の原則」とは具体的にどのようなものなのか、知っていますか?
この記事では、契約自由の原則やその例外について詳しく解説するので、お役立てください。

契約自由の原則とは?


「契約自由の原則」とは、当事者同士の自由な意思によって結ばれた契約は、法律に反しない限りその自由を尊重するという原則です。
20世紀において、契約自由の原則は維持されつつ、その一方では多くの問題を呈してきました。
契約自由の原則を貫くことにより、経済的弱者の立場が弱くなってしまうことも多くあったためです。
これを受け、現代においては契約自由の原則を残しつつ、さまざまな角度から法律によって規制され、経済的弱者も保護できるようになっています。

契約自由の原則の根拠


契約自由の原則には、理念的根拠実定法的根拠の2つの根拠があります。
理念的根拠は、「私的自治」に求められます。
人は自由で平等であるという法思想を受け、人は自分のことを自分で決められる社会であることから、誰かと契約を交わすことについても、自分で自分のことを決める「私的自治」が当てはまるためです。

2つ目の実定法的根拠は民法上の根拠とも呼ばれ、民法521条、522条に由来します。
これらの法律に、契約自由の原則は明文化されています。
ただし、すべてにおいて契約を自由にできるというわけではありません。
法令に特別な定めがある場合以外について、契約を自由に交わすことができるという内容になっています。

契約自由の原則における4つの分類


契約自由の原則には、4つの分類があります。

  • 締結の自由
  • 相手選択の自由
  • 内容の自由
  • 方式の自由


それぞれについて、ご紹介します。

締結の自由

提示された契約に対して、これを締結するか締結しないかについては、自由に決定することができます。
契約の締結を求められたからといって、必ずしも締結しなければならないというわけではありません。

相手選択の自由

契約を結ぶ相手も、自分の意思で決定できます。
売買契約であれば、どの出店者から購入するかを決めるのも相手選択の自由の一つです。

内容の自由

契約の内容については、契約する当事者同士の意思に基づいて決定することができます。
たとえば、いくらで、何に対して契約をするのかについて、契約する当事者同士で話し合い、決定することができます。
契約自由の原則において、最も重要とされるのが、この内容の自由です。

方式の自由

どのような形で契約を結ぶのかを、自由に決定することができます。
契約書を作成して締結する契約のほか、口頭のみによる契約も可能です。

契約自由の原則における4つの分類

契約自由の原則に限界がある2つの理由


契約自由の原則をそのまま貫いてしまうとトラブルが発生する可能性があるため、これには限界が設けられています。
その理由は、「競争力がある者だけが勝つ可能性があるため」「差別が容認されてしまう可能性があるため」の2つです。

競争力がある者だけが勝つ可能性があるため

契約自由の原則だけを貫くと、競争力がある者が常に優位に立つことになりかねません。
交渉力が高い者、競争力が高い者、経済的な優位にある者などが常に優位に立ち、それ以外の者の立場が弱くなってしまいます。
たとえば、大企業と個人が契約を結ぶ、ライフラインや銀行などと個人との契約の場合、契約自由の原則を貫いてしまうと、個人にとって不利な契約になってしまうことも多くなるでしょう。
これを防いで公共の福祉を維持するために、契約自由の原則には限界が設けられています。

差別が容認されてしまう可能性があるため

相手選択の自由があることにより差別が容認されてしまう可能性があることも、限界が設けられている理由の一つです。
たとえば労働者を雇う場面では、仕事内容などにより「男性のみを雇う」などと制限することもあるでしょう。
しかし、合理的な理由がなく雇用者の価値観のみで、人種や国籍などによって雇う相手を制限することも出てくるかもしれません。
このような契約が横行すると、差別が容認され平等な社会を目指すことはできなくなってしまいます。
契約自由の原則は、差別を容認するためのものであってはならないことから、限界が設定されているのです。

契約自由の原則における2つの例外


契約自由の原則における2つの例外は、「公序良俗」「強行法規・強行規定」です。
これらは、先述した「競争力がある者だけが勝つ可能性」と「差別が容認されてしまう可能性」等を避けるために設けられています。

公序良俗

内容が公序良俗に違反するケースでは、その契約は無効となります。
公序良俗とは、公共の秩序、そして善良な風俗を意味し、社会的な一般常識とルールのことです。
公序良俗は時代の変化や国、地域によって変わっていくものでもありますが、基本的に個人の尊厳を害するものや社会的な秩序を著しく害するものは公序良俗違反となります。

強行法規・強行規定

強行法規・強行規定とは、社会政策などの目的によって、たとえ契約する当事者の意思であっても契約内容を変更できない規定のことです。
たとえば、「消費者契約法」は消費者を保護する目的で定められていて、これに違反する内容の契約はできません。
「労働基準法」は労働者を保護する目的で定められた法律で、労働者を雇う場合は、これを遵守した上で契約する必要があります。
また、自由競争の発展を目的としている「独占禁止法」もあり、これらの法律を無視した内容の契約は締結できないようになっています。

契約自由の原則における2つの例外

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さまざまな場面で締結する機会がある「契約」ですが、「契約自由の原則」があるからといって、どのような契約でもすべて自由に結べるわけではありません。
公序良俗に違反せず、法律に沿った内容であれば、その範囲内で自由に契約ができるという原則となっています。
契約を結ぶ際には、このルールを忘れずに、適切な内容で作成することが大切です。

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