労働契約の定義とは?雇用契約との違い、労働契約書の必要性を解説

更新: 2023-01-13 18:56

労働者が企業などにより雇用されて労働し、この労働に対して賃金の支払いが発生することを双方が合意するのが、労働契約の定義です。この記事では労働契約の基本原則から記載すべき項目まで詳しく解説するので、契約をスムーズに進めるために役立ててください。

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雇用する企業と労働者の間で締結する「労働契約」ですが、その必要性や基本原則については詳しく知らない人も多くいます。
また、雇用契約や業務委託契約との違いがわからず、曖昧になっている人もいるでしょう。
この記事では労働契約の基本原則から記載すべき項目まで詳しく解説するので、契約をスムーズに進めるために役立ててください。

労働契約の定義


労働契約法第6条において規定されているのが、「労働契約」です。
労働者が企業などにより雇用されて労働し、この労働に対して賃金の支払いが発生することを双方が合意するのが、労働契約の定義です。

この契約を締結するにあたっては、双方は対等な立場でなければなりません。
とはいえ労働者はどうしても立場が弱くなりがちなため、これを守るために労働基準法などがあります。
労働基準法などの法律の範囲内で労働し、それに対して賃金を支払う契約が、労働契約です。

雇用契約や業務委託契約との違いとは?


労働契約と似た言葉には、「雇用契約」や「業務委託契約」が挙げられます。
それぞれについて、ご紹介します。

労働契約と雇用契約の違い

労働契約と雇用契約は、一般的に同じような意味で使われます。
どちらも雇用する企業と労働者の間で締結されるもので、基本的に大きな違いはありません。

ただし、雇用契約は民法にて定められていますが、労働契約は労働契約法によって定められているという点には違いがあります。
雇用契約における「労働者」は、労働に従事するすべての人を指します。
一方で、労働契約では、同居する親族のみを使用する業務については「労働者」から除外されてしまいます。
このように法律面における違いこそあるものの、労働契約と雇用契約は基本的にほぼ同じような意味で使われているのです。

労働契約と業務委託契約の違い

労働契約では労働に対して賃金を支払いますが、業務委託契約では仕事の成果物または業務を行うことに対して報酬を支払う点に違いがあります。
また業務委託契約では、委託する人は、業務を請け負う人に対して具体的な指揮命令を行えないことが大きな特徴です。

雇用契約や業務委託契約との違いとは?

労働契約における5つの基本原則


労働契約には、5つの基本原則があります。

  • 労使対等の原則
  • 均衡考慮の原則
  • 仕事と生活の調和への配慮の原則
  • 信義誠実の原則
  • 権利濫用の禁止の原則


それぞれについて、詳しく解説します。

労使対等の原則

雇用する企業と労働者は、対等な立場で契約を締結すべきであるという原則です。
労働者は立場が弱くなりがちですが、労使対等の原則を遵守しなければなりません。

均衡考慮の原則

実際の就業状況を基にして、労働契約の締結や変更をすべきであるという原則です。
正社員やパートなどといった雇用形態の違いではなく、実際の就業状況を考慮して処遇を決定しましょう。

仕事と生活の調和への配慮の原則(ワークライフバランスへの配慮の原則)

仕事だけでなく、労働者の生活とのバランスに配慮すべきであるという内容です。
育児や介護などがあっても仕事と生活が両立できるよう、バランスを考える必要があります。

信義誠実の原則

信頼を裏切らず誠意ある行動をすべきであるというのが、信義誠実の原則です。
労働契約を遵守したうえで、権利を行使しつつ義務を履行しなければなりません。

権利濫用の禁止の原則

労働契約を結ぶ両者は、本来の目的以外において、この契約における権利を行使してはなりません。
権利濫用の範囲については細かい定めがないため、都度判断されることになります。

労働契約における5つの基本原則

労働契約で押さえておきたい4つのルール


労働契約では、押さえておくべき4つのルールがあります。

  • 労働契約の締結におけるルール
  • 労働契約の更新におけるルール
  • 労働契約の変更におけるルール
  • 労働契約の終了のおけるルール


後々のトラブルを避けるために、ここでそれぞれについて確認しておきましょう。

労働契約の締結におけるルール

労働契約をどのような形で締結するかについては、明確な規定がありません。
そのため、口頭のみで労働契約を交わしたとしても成立することになります。

ただし、口頭のみでの締結はトラブルになりやすいことから、雇用側は「労働条件通知書」を交付しなければなりません。
労働条件通知書の交付は義務であり、法律で定められている記載すべき項目について漏れなく記載する必要があります。

労働契約の更新におけるルール

労働契約を更新したい場合には、新しく契約を締結しなければならないというルールです。
これに際して、労働条件通知書も改めて交付する必要があります。

更新の有無については、契約期間が満了する30日前に予告しなければなりません。
ただし、あらかじめ契約期間の満了日が決まっておらず何度も契約が更新され、結果的に長期雇用されているなどのケースでは、突然更新をなしにすると「解雇」として受け取られてしまうことがあります。
更新しないのであれば、雇い止めとなる理由を問われた際に明確に答えられるようにする必要があります。

労働契約の変更におけるルール

労働契約は、双方が同意すれば内容を変更することができます。
ただし、労働者が一方的に不利になるような変更は許されていません。
また、双方が同意したとしても、変更することで当初の労働条件を下回ってしまう場合には、変更ができなくなっています。

労働契約の終了のおけるルール

雇用する側が契約の終了を告げる「解雇」の場合には、業務命令違反があったなどの客観的で合理的な理由がなければなりません。
いつでも自由に解雇することは、このルールによって禁止されています。

労働契約を終了する際には、双方で話し合い合意解約するケースがあります。
そのほかに、労働者からの申し出による退職に伴う契約終了も一般的です。

労働契約で押さえておきたい4つのルール

労働契約の締結は「労働契約書」を交わすのがBEST

労働契約は口頭のみのやり取りでも成立しますが、「労働契約書」を交わすと安心です。

労働契約書とは?

労働契約書は、雇用する企業などと労働者の間で交わす契約書のことです。
この契約書には労働内容などの詳しい内容が記載され、双方がこれに署名捺印することで締結となります。
労働契約書の締結は義務ではないものの、交わしておくことで後々のトラブルを避けやすくなります。

労働契約書の必要性

労働契約書を交わすことで、双方が労働条件などを事前に確認し、その後も必要に応じて都度内容を確認できるようになります。
双方の認識のズレをなくすことができ、万が一トラブルになった際も、労働契約書の内容を基準にして解決しやすくなります。
口頭のみのやり取りでは発生しやすい「言った、言わないトラブル」にもならないので、安心して労働できる環境を整えられることにつながるのです。

労働契約書の作り方


前述したように、労働者との後々のトラブルを回避するためには、口頭だけでなく労働契約書を作っておくことが大切です。
ここからは、労働契約書の作り方についてご紹介します。

労働契約書の書式に決まりはない

労働条件通知書と違い、労働契約書は締結が義務ではないため、書式や必ず記載しなければならない項目についての定めはありません。
ただし記載内容によっては、どちらかが不利になってしまう可能性があるので何を記載するのかには注意が必要です。
可能な限りトラブルを回避できるよう、契約する双方に配慮した内容にしましょう。

労働契約書に入れるべき項目

労働契約書には、記載義務がある項目はありません。
しかし、下記の項目については記載しておくのが一般的です。

  • 入社日
  • 企業情報
  • 契約期間
  • 勤務場所
  • 業務内容
  • 賃金の計算方法、支払方法
  • 賃金の締め日、支払い日
  • 始業時間、終業時間
  • 休憩時間
  • 時間外労働の有無
  • 休日
  • 退職の規定
  • 有期労働契約の場合は、更新の有無や更新の判断基準


また、アルバイトやパートとしての労働契約書の場合は、下記も盛り込んでおくと安心です。

  • 昇給の有無
  • 賞与の有無
  • 退職手当の有無
  • 相談窓口


特に、別途で労働条件通知書を交付せず、労働契約書と労働条件通知書を兼用する場合には、ここでご紹介した項目を記載しておかないと違法となるので注意が必要です。

労働契約書の作り方

労働契約書は電子契約での締結が可能!


ペーパーレス化が進む近年では、各種契約も電子化する企業が増えています。
電子契約を導入すると、印刷代や郵送代などがかからなくなるほか、郵送の手間がなくなることからスピーディーな締結が可能になります。
労働契約書も電子契約が可能なので、ぜひ導入を検討してみてください。

労働条件通知書についても、同じく電子化が可能となっています。
ただし、電子化できるのは、労働者が電子化を希望した場合に限られるので注意が必要です。
労働条件通知書と労働契約書を兼用とする場合も同様となるので、労働者の希望を聞いてから対処しましょう。

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また、契約締結の証拠として契約者双方のメールアドレスなどを記録したりタイムスタンプを付与したりすることにより、安全に契約を結べます。
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