電子署名(電子契約)にはいくらかかる?費用対効果はどれくらい?気になる導入費用と、導入によってもたらされる利点を解説いたします。各社が提供している電子契約サービスの概要についても紹介しています。
現在、インターネット経由で契約を締結する、電子契約が普及しつつあります。そして電子契約をする際に必要となるのが電子署名です。
今回は、電子署名とは何かを説明した上で、電子署名付きの電子契約を導入する際にかかる費用とその費用対効果、電子契約(電子署名付き)サービスの主要15社の費用について解説します。
電子署名とは、電子契約書を取り交わす電子文書を本人が作成したことを証明し、内容に改ざんがないことを証明するものです。
紙の書類により行われる契約では、印鑑やサインを書類に付記することで法的な有効性が証明されます。一方、インターネット上で取り交わす電子契約においては、紙の書類の内容が電子化された電子書類に電子署名が付記されることで、正式な契約として認められるのです。
電子署名には当事者型と事業者署名(立会人)型の2種類があります。
当事者型は送付元、送付先のそれぞれが、事前に電子認証局で電子証明書を発行し、利用する方法です。
本人確認が厳格なため、なりすましなどのリスクを軽減できます。しかし、双方が電子証明書を持っていなければなりません。
また、その都度認証サービス事業者から認証を受ける必要があるなどの手間や時間がかかります。
事業者署名(立会人)型は「クラウド型電子署名」とも呼ばれており、利用者の電子証明書が不要で、契約者の双方が同じシステムを使っていなくても契約の締結が可能です。当事者型と違い、電子契約サービス事業者が署名を行います。
その利便性から、多くの電子契約サービスで採用されているのがこちらの型です。
双方に電子証明書が必要な当事者型と比較して、本人性の担保が劣る点はデメリットといえます。
しかし、2022年には総務省、法務省、経済産業省が事業者署名型電子署名の有効性を認めた見解を出しており、これを契機にますます事業者署名型電子署名が主流になっていくものと思われます。
参考:
デジタル庁(グレーゾーン解消制度に基づく回答)
https://www.digital.go.jp/policies/digitalsign_grayzone/
契約大臣の事業者署名(立会人)型電子署名
電子契約サービス導入にかかるコストは、通常、基本料金、契約締結ごとにかかる従量課金等で構成されています。
一般的には基本料金は月額で1~10万円から、従量課金は1契約書あたり100~200円ほどが相場ですが、契約数が多いと費用がかさむので注意しましょう。
おおむね、契約件数が月平均で50件程度であれば年額25~50万円、月平均300件程度だと年額85~110万円程度です。
実際にかかる費用は、各事業者が提供しているオプション機能をどのくらい利用したのかによっても大きく変わってきます。
また、サービスによっては初期費用も別途必要です。
紙の文書を取り交わす契約ですと郵便代がかかりますが、電子契約であればインターネット上で送付作業を終えることができるので、これらの費用はかかりません。
また、紙の文書による契約だと、契約書をファイルして保管する、郵送の際に会社・事務所から郵便局まで移動するといった必要もあり、保管費用(ファイル・棚の費用等)や移動費(公共交通機関の運賃や車の燃料費等)もかかります。
電子契約であればこうした費用も抑えることが可能です。
これらのコストに加え、文書が「課税文書」に該当する場合にかかっていた収入印紙の貼付けが、電子契約の場合は収入印紙が不要となります。
これは、印紙税の納付が対象とされているのは「紙の文書」に限定しているためです。
特に紙の文書で日々大量の契約書を取り交わしている企業の場合、電子契約へと変更することで大幅な経費削減を実現できます。
関連リンク
収入印紙って何?業務委託契約を交わす際に知っておきたい印紙税知識と節税方法まとめ
電子契約サービスは、電子書類の作成支援(テンプレートの用意、一括作成機能など)、タスク管理、相手先への電子書類送付支援、高度なセキュリティ対策など、多様な機能を備えたものが多数存在します。
以下に、国内で利用できる電子契約サービス主要15社の費用(月額費用、送信費用、締結費用等)をご紹介しましょう。
「フリープラン」だと無料、「Light」だと11,000円(送信件数ごとの費用220円)、「Corporate」だと30,800円(送信件数ごとの費用220円)、「Enterprise」は個別に要問い合わせとなっています。
「お試しフリープラン」だと0円、「契約印&実印プラン」では9,680円。送信料が契約印タイプだと1件あたり110円、実印タイプだと330円。電子証明書は1枚目が無料、2枚目以降は年間8,800円です。
契約の締結料は当事者型の場合、月3件まで無料でそれ以上は1件330円。事業者署名(立会人)型での電子契約書送信料は月10件まで無料で、それ以上は送信1件ごとに110円です。当事者型の電子証明書発行料は1署名ごとに8,800円です。
「Freeプラン」が月額無料、個人事業主限定の「スタータープラン」が月額980円(年間契約限定)、「Lightプラン」が月額5,478円、「Light Plusプラン」が月額21,789円、「Pro/Pro Plusプラン」は月額55,000円で、電子署名利用時はそれぞれ1通につき220円発生します。
グループ版の「Acrobat Standard」が1ライセンス月額1,848円、「Acrobat Pro」が1ライセンス月額2,380円、「Adobe Sign Solutions」は要問合せとなっています。
「無料お試し版」が月額0円、「ビジネス版2」が月額11,000円の年間契約。ファイル送信料は1件につき110円、保管料金は1ファイルあたり20円です。
初期費用0円、スモールビジネスプランは2,980円、ビジネスプランは4,980円、ユーザーが4人以上になると1人ごとに900円が従量課金されます。
ユーザー数50名までは月額料金22,000円、10ユーザー追加ごとにプラス5,500円です。
「Standard」プランと「Professional」プランがあり、どちらも月額料金とは別に初期費用が発生します。料金については問合せとなっています。
「フリープラン」が月額0円、「シルバープラン」が月額11,000円から、「ゴールドプラン」が月額33,000円から。電子契約書の締結料は1通につき55円、長期署名の場合は1通につき165円です。
月額料金は「エントリー」が無料、「シンプル」が3,667円、「トータル」が55,000円、「プレミアム」が110,000円です。導入費用は無料です。
「ライトプラン」は月額11,000円(初期費用55,000円)、「ライトプラス」は月額30,800円(初期費用110,000円)、「ベーシック」は月額55,000円~(初期費用250,000円)となっています。送信料はどのプランでも1通につき33円、電子署名付きの場合は1通につき220円です。
月額固定料金、送信料ともに0円のサービスです。有償サービスは署名した文書を1年以上サーバーに保管する場合の文書保管料金のみ。保管料金は50文書で月額550円とされています。
初期費用は0円。月額料金は「ライトプラン」が11,000円、「ベーシックプラン」が22,000円。最上位サービスの「プレミアムプラン」は応相談となっています。タイムスタンプを使用する場合はオプションで、ライトプランでは3,300円、ベーシックプランでは13,200円、プレミアムプランでは応相談にて利用可能です。
初期費用は0円で、料金プランは「月額スタータープラン」が月額2,200円、「月額ベーシックプラン」が月額6,600円、「月額プレミアムプラン」が月額9,900円です。どのプランにもタイムスタンプ機能が付属しています。年間契約用のプランもあります。
>契約大臣の電子署名を見る
*表示料金はすべて税込みです。
現在、電子契約(電子署名付き)の導入および運用をサービスとして提供している事業者は多く、必要となる利用料金はそれぞれ違います。実際に導入を検討する際は、自社と取引先のニーズに合ったサービスを提供しているか、料金が妥当かどうかを十分に検討しましょう。
これから電子契約(電子署名付き)サービスの導入を考える場合は、「契約大臣」がおすすめです。
業界最安値レベルの低料金に加えて、直感的で使いやすい機能を有しています。無料でお試しのできる「フリープラン」も用意されていますので、試してみたいという企業様は、ぜひご検討ください。
「電子契約ってどうやるの?」「導入したいけど、何を準備すればいいかわからない」
これから電子契約をはじめる企業や事業者の方におすすめの記事をご紹介します。
「電子契約のやり方を解説!電子契約システムの運営会社TeraDoxが自社例を公開」
お仕事を依頼したい企業と、お仕事を受けたい企業をマッチングするサービス「比較ビズ」の『電子契約システムを比較する際に押さえておくべきポイント』という記事で、『契約大臣』が紹介されました。
比較ビズ:「電子契約システムを比較する際に押さえておくべきポイント」
参考サイト)
ワンビシアーカイブズ「電子署名とは?わかりやすく解説します。」
シャチハタクラウド「電子署名とは?認証の仕組みやメリット、導入方法を分かりやすく解説」
Contracts CLM「【オススメ21選を徹底比較】電子契約とは?システム選定ポイントから導入の流れまでを解説」
法務省「電子証明書取得のご案内」
法務省「電子認証事務を取り扱う登記所」
BOXIL「【2022年最新】電子契約システム比較25選!料金や導入事例 無料トライアルあり」
アイミツSaaS「2.契約件数に見る費用の相場」
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※本記事の内容は2021年9月時点の情報を基に執筆し、2023年6月に更新されています。